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告白

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監督:中島哲也  出演:松たか子 岡田将生 木村佳乃 橋本愛 下村直樹 西井幸人

『パコなんとか』はつまんねーなあと思ったわけだけど、この作品の方向性は大歓迎。とても嬉しい。素直に。

この映画、好きか嫌いかって、そりゃ当然相当好き。



だけれども。だけれども。

子どもたちへの「愛」が足りなさすぎないか?と思った。

少年少女を悪魔化しただけじゃね?とか。


最初は『リリィ・シュシュのすべて』っぽいなと思ったけど、結局全然逆だった。『リリィ・シュシュ』の場合、内容や描写そのものはよりハードかもしれないけど、子どもたちへの「愛」、子どもたちの世界への一定の「敬意」、そして大人たちの「達観」とか、そういうものを感じた。いい意味で。


この『告白』は、なんというか、我々大人たちの「幼稚さ」を感じた。原作はどうだか知らないけれど。

この映画の紹介文に「女性教師の狂気」みたいなことが書いてあったが、観客の大人のみなさんはけっこう素に正義感からこの教師に感情移入して応援しちゃってたりしない?「少年法少年法少年法」言ってるし。「そうだ!そうだ!」って観客のみなさんなっちゃったりしてしない?反応全然チェックしてないから知らないけど、なんかそんな気がしてしまう。俺、世間のみなさんに怯えすぎ?


いや、俺だって、この先生が「ガキども」にもっともっと酷いことするの期待してたけど、それはもちろんネタとしての「おもしろさ」を期待してるわけで(これはこれでクソみたいな欲望ですが)、ベタな「正義感」や「復讐心」というか「処罰感情」からではまったくない。


いや、被害者遺族本人の教師がこのノリなのはまあアリだと思う。けれど、外野までがこういうノリっぽいような。

全身全霊で子どもたちを敵視する我々大人たちの「幼児性」。

少年犯罪のニュースでも見て、「こんなガキ死刑にしちゃえ」とか素で言っちゃう系の、我々大人たちの剥き出しの「幼児性」。

こんなかんじで敵視するなら、「子どもも大人もねー世の中は万人の万人に対する闘争だ」ってノリでいくなら、せめて参政権くらいは、少女少年のみなさまたちに行使していただかないとフェアじゃないでしょうね。結婚なんかも自由にしていただきましょう。当然車の免許も。


というか、少年少女への激しいルサンチマン。我々大人世間に少女少年への怨念が充満してるような気がしてなんかトホホ。子どもフォビア社会?

こういう世間の大人のトホホな俗情に見事に媚びちゃってません?この映画。この映画の目的がこういう俗情を暴露することならいいけど、そうはまったく思えないし。子どもたちを悪魔化しただけに終わってません?内容的には。

俺の杞憂、というか妄想ですか?


というか、これほど子どもたちへ敵意を向けた映画って他にある?

「最近の若者はどうたらこうたら」的なノリには「戦前の少年犯罪でも読めよ」で一応終わりだけど、この映画の子どもたちへの敵意は「最近の・・」とはまた微妙に別種のような気がする。


とにかく、なんというか、我々ニッポンの大人たち(被害者・被害者家族等当事者は別にして)、余裕なさすぎじゃね?マジで心配になってくる。「生贄」に敵意を向ける様を世間に披露することによって、橋下徹大阪府知事なんかが大人気なのが象徴的だけど。



追記

検索してみたら、俺と似たようなこと書いてる方がいた。


映画「告白」は大人たちによってねつ造された子どもたちへの一方的な憎悪の映画だ
http://runsinjirun.seesaa.net/article/152821617.html



ところどころ引用させていただきます。


告白は現実をうつしだした映画なのか?まったく違う。

悪意というイメージを飾り立てたエンターテイメント映画にしかすぎない。それも素晴らしく出来のよいエンターテイメントだ。

「告白」は年寄り連中がそう思いたいだけの「モンスター」としての子どもたち、悪意の固まりとしての子供という幻想でしかない。

年寄り連中はそんなに子どもたちを悪魔のようなモンスターにしたいのか?常に鬱屈し、人を殺しかねないような怪物に仕立て上げたいのか?

だが現実は違う、「戦前の少年犯罪」という著作で知られる管賀江留郎氏が指摘するように少年犯罪は戦後減少しつづけており、少年による殺人件数のピークは1948年に300人の大台に乗り1967年まで300人以上が続くが1968年以降減少しつづけ、2009年にいたっては犯罪を犯した未成年自体6年連続の減少。殺人件数は50件でしかない。


殺人件数でもお年寄り連中が10代を圧倒的に引き離している。映画「告白」では少年法によって不当に守られた子どもたち、という90年代に作られた古くさいイメージを元にモンスターとしての少年を裁くストーリーだが、そんなものはあなたがた年寄り連中の幻想でしかない。

「ヒーローショー」が今の現実をうつしだしている映画なら、「告白」はありもしない悪意というイメージを子供に押しつけているだけ、イメージとしての悪意、何を考えてるかわからない凶暴な少年という幻想としてのモンスターを描いているだけにすぎない。


ここまで書いたら映画「告白」を批判しているように思われるかもしれない。だが実は違います。

「告白」はイメージとしての悪意をありとあ らゆる手練手管であやつり描写しつくす大変よくできた犯罪エンターテイメントです。




この映画はまぎれもなく邪悪なまでの知性を持った怪物同士の頭脳ゲームだ。映画は「デスノート」的な興趣にあふれている。

「告白」原作者 に切実な社会問題を訴える意図があっただろうか?俺は無いと思ってる。イメージとして作られた悪意を増幅させ、そこに「デスノート」的頭脳戦を盛り込む。

い わば学校問題を、親子関係を、子どもたちの問題を、その悪意だけを増幅、中島哲也の得意技「デコレート」して、さもそこにリアルな問題があるかのようによ そおう。それこそ原作者と中島哲也の悪意以外のなにものでもない。

90 年代おそらく酒鬼薔薇事件をもとに狂える子供たち、増加する一方の少年たちの凶悪犯罪という、先にも示したように完全にマスコミのねつ造した虚構が、現実 に取って代わる。

そしてその虚構を信じたおっさん連中がマジメな顔して「これは復讐譚ではなく、命の尊さを過激に教え諭す残酷寓話であ る」などと抜かすのである。これほど滑稽なことがあるだろうか。

鬼の首でも取ったかのように子どもたちの凶悪犯罪をあげつらい、モンス ターとしての子供をねつ造してまで憎悪するおやじたちの精神構造こそ、この映画が描こうとした悪意そのものだ。

原作者と中島哲也は見事に 糞真面目な年寄り連中をだましきった。この二人こそ悪意の固まりだ。

まあ、「この映画の目的がこういう俗情を暴露することならいいけど、そうはまったく思えないし」と書いたように、俺には、この方のように「鬼の首でも取っ たかのように子どもたちの凶悪犯罪をあげつらい、モンスターとしての子供をねつ造してまで憎悪するおやじたちの精神構造こそ、この映画が描こうとした悪意 そのものだ。原作者と中島哲也は見事に糞真面目な年寄り連中をだましきった。この二人こそ悪意の固まりだ」とまでは思えないけれど(思いたいけど)。原作 読んだら感想変わるかもしれないけど。



映画「告白」では少年法によって不当に守られた子どもたち、という90年代に作られた古くさいイメージを元にモンスターとしての少年を裁くストーリー

「90年代」については俺は知らないのだけど、数年前くらいまではマスコミさんは、儲けようと意図的にやってたかどうかはわからないけど、とにかく視聴者の不安を煽るために無根拠に「激増する少年犯罪」とか「凶悪化する少年犯罪」とか「激増する凶悪犯罪」とかやっていた。

それに対して、何年も学者や専門家が「マスコミは嘘を流して不安を煽るな。少年犯罪も大人の凶悪犯罪も増えてないし、むしろ減ってるし、殺人事件なんて戦後最低になったし、少年犯罪の凶悪化ってあんた昔の少年犯罪について調べてみなよ」的なことを言い続けた。

やっとマスコミさんも最近は、「激増する少年犯罪」とか「凶悪化する少年犯罪」とか「激増する凶悪犯罪」とかやらなくなったけど、何年もこういうのやったからこういうのが世間一般視聴者の心と身体に浸み込んじゃってるんじゃないかと。『告白』の原作者や監督はどうなんでしょうね。少なくとも、この映画と世間の感覚はいや〜なかんじにシンクロしちゃったような。





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2010/07/30 12:59 AM, from よしなしごと
映画「告白」
映画「告白」公式サイト 映画「告白」映画情報(eiga.com) ○作品情報(eiga.comより) 監督・脚本:中島哲也 プロデューサー:石田雄治、鈴木ゆたか、窪田義弘 原作:湊かなえ 撮影:阿藤正一、尾澤篤史 照明:高倉進 美術:桑島十和子 製作国:2010年日本映画 上映時間
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